当院の癌の術後成績
当院で扱う主疾患は悪性腫瘍(主にガン)です。特に食道ガン・胃ガン・大腸ガンなど消化管のガン、肝胆膵のガンに加え、肺ガン、乳ガンをそれぞれ扱う呼吸器外科・乳腺外科にも最近は力を入れ、5大癌を網羅しています。特に消化器センターには外科も主体的に参加し、内科・放射線科と共同して消化器疾患のガンの診療に携わっています。ガンの治療方針は内科・外科・放射線科などが参加するキャンサーボード(Cancer board)の下、各科医師の総意により決定しています。
悪性腫瘍の手術では、各々の疾患別に公表されているガイドラインに則って、周囲のリンパ節を含め腫瘍を全て取り除く「根治術」を目指します。最近はエビデンスに基づいて、食道・膵臓・肺のガンなどで手術に先立って抗ガン剤治療を行う術前補助化学療法も実施していますし、もちろん有効性が証明されている術後の補助化学療法にも積極的に取り組んでいます。
またこのように「根治優先」の立場で治療を進めること中、患者さん一人ひとりの要望を加味した低侵襲手術も多数行っています。例えば乳ガンでは美容面を考慮した乳房温存手術(+見張りリンパ節生検)が殆どですし、食道ガン・胃ガン・大腸ガンにおける鏡視下手術の比率は現在約80%なっています。
腹腔鏡下肝切除・膵切除の施設基準も獲得しており、肝臓・膵臓の手術も条件を満たす病変に対しては大きく開腹しないで実施することが出来ます。腹腔鏡下肝切除に関しては医療保険で認められた手術のみ実施しており、危険性を感じた場合は躊躇なく開腹手術に移行していますし、これまで大きな合併症はありません。肺ガンの手術でも胸腔鏡補助下での手術が殆どになりました。但し、このような低侵襲手術場合でも腫瘍の根治度を損なわないことを当然原則としています。
下の表に当院での根治術後の治療成績の一部を掲載します。
根治術後生存率 | ||
---|---|---|
疾患 | 5年生存率 | 10年生存率 |
胃癌 | 83.5% | 79.3% |
結腸・直腸癌 | 85.4% | 80.7% |
肝細胞癌 | 71.6% | 55.8% |
食道癌 | 71.4% | |
膵癌 | 32.7% (内R0:58.1%) |
27.7% |
乳癌 | 93.7% | 91.0% |
肺癌 | 88.9% |
副院長兼外科部長 山懸 基維
インフォメーションInformation
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