検査科
臨床検査とは
臨床検査とは、医師の指示のもと、国家資格を持つ臨床検査技師が健康増進・疾病の発見・治療の経過観察のために行う検査です。
大きく分けて、患者さんから採取した血液や尿を用いて検査を行う「検体検査」と、患者さんの情報を、直接身体から機械などを用いて画像や波形にして取り出す「生理検査」があります。
正確な検査結果を出すために
検査室内部での精度のチェックはもちろん、日本医師会や日本臨床衛生検査技師会が主催する、他の施設と比較して正しい結果を出しているか確認する事業にも積極的に参加しています。
知識と技術の向上をめざして
検査科職員は全て国家資格の臨床検査技師です。更なる向上を目指して各種認定資格の取得に努めています。(令和6年4月現在)
★超音波検査士(日本超音波医学会認定)…5名
★細胞検査士(日本臨床細胞学会認定)…2名
★国際細胞検査士(国際細胞学)…2名
★2級臨床検査士“病理学”(日本臨床検査同学院認定)…1名
★2級臨床検査士“血液学”(日本臨床検査同学院認定)…2名
★2級臨床検査士“循環器生理学”(日本臨床検査同学院認定)…2名
★緊急検査士(日本臨床検査同学院認定 )…3名
★佐賀糖尿病療養指導士(佐賀県糖尿病協会)…1名
臨床検査技師が参加するチーム医療
栄養サポート、糖尿病療養、心臓リハビリテーション
検査の種類
検体検査 |
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■生化学検査
血液は高速遠心することで細胞成分と液状成分に分離できます。生化学自動分析装置は主にこの液体成分を使用します。分析項目は、ALT・AST・γGTPなどの肝機能、LDH・CPKなどの心機能、コレステロールなどの脂質、電解質、炎症反応など32種を測定しています。健康の保持や、疾病の発見・治療効果の判定などに欠かせない項目ばかりです。交通事故等での臓器や筋肉の損傷判定にも役立ちます。1時間に1,800項目を測定でき、正確な検査結果を迅速に報告することが可能です。
(なお、この装置は自動車事故被害者救済のための令和4年度日本損害保険協会寄付事業の一部補助を受け整備しました)
■免疫血清検査
免疫血清学検査とは、ウイルスや細菌等の病原菌・病原体自体(抗原)や、それらに感染したとき自分を守るために体の中で製造される物質(抗体)を調べる検査です。病原菌自体が少量過ぎて見つけられない時でも、それに対する抗体の存在があれば、感染の事実を証明できます。ガンに罹ったときに血中で多くなる物質(腫瘍マーカー)を調べる検査もこの分野です。
遠心分離機
※平成29年10月より新免疫測定器「Sysmex HISCL-5000」の運用を開始しました。これにより、さらに迅速な検査結果の提供が可能となりました。
■輸血検査
輸血検査は病気で貧血になった方への血液の補充や、出血が予想される手術の前に予め血液を準備するときなどに行います。輸血する血液が患者さんに適しているかを調べる検査です。これも、上記の抗原と抗体の反応を応用して調べます。
■血液検査
血液中の赤血球、白血球、血小板数を算定したり、顕微鏡などで分類します。あらゆる病気の変化を捉えることができ、臨床検査の入口に当たる項目です。また、血液の固まる力を調べたり、骨髄液の細胞を検査し、貧血の原因を探るのもこの分野です。
■一般検査
体に針を刺したり傷つけたりすることなく、自然に排出される尿や糞便などを主な検査材料にする分野です。例えば尿は、色や酸性度にはじまり、蛋白・糖などを化学分析、含まれている細胞や血球などの顕微鏡検査などにより主に腎臓や膀胱の状態を把握できます。
■細菌検査
細菌検査は感染症が疑われる患者さんの喀痰、尿、膿、血液、髄液、胸水、腹水等を検査材料として病原菌の有無を調べます。それら病原菌は少量ですので、菌が増殖しやすい環境で増やし、菌の種類やどの抗生物質が有効かを調べます。
■遺伝子検査
遺伝子は私たちのからだを作る設計図のようなものです。遺伝子検査では遺伝子の本体であるDNAやRNAを検査し、感染症などの診断に用います。遺伝子の量が少なくても検査ができるので、感染初期でも診断が可能です。
■病理検査
病変が有ると思われる部位の組織の一部を、試験的に内視鏡や針で採取し治療方針を決める場合や、手術で摘出した臓器などから病気の原因を確認する場合などに行います。組織を3μmほどの薄さに切り、細胞の種類を見分けやすくする液で染色し顕微鏡で診断します。最終診断に繋がる検査で、高い技術や知識を要します。
■細胞診検査
痰や尿などの排出物や、腹水や膿(うみ)など注射器で吸引できる液体の中の細胞を集めて顕微鏡で見ることにより疾患を特定できることがあります。病理検査とは違い、主に組織などから剥離した細胞で診断しますので、身体に対する侵襲は少なくなります。悪い細胞が有れば病気を特定できますが、無い場合の否定は病理検査より精度が落ちます。
生理検査 |
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■心電図関係
心臓は微弱な電流刺激が心臓を伝わることにより動いています。その電流を体の外から観察するのが心電図です。心電図は健診などで撮る安静時心電図を基本として、運動で負荷をかける負荷心電図や、長時間記録できるものまで様々です。
■超音波検査
プローブと呼ばれる端子の先から超音波を体内に発し、跳ね返ってきた超音波を機械で画像にする検査です。心臓・腹部・乳腺・血管など空気を含まない臓器に有効です。音波ですので害はありません。
■肺機能検査
呼吸器の病気の診断に役立つこの検査には様々な種類がありますが、一般的なものは肺の中にどれくらいの空気が入るかを見る「肺活量」や、気管が狭くなり呼吸が出来にくい状態になっていないかを見る「一秒率」を調べます。
■脳波検査
脳の活動にともない出されている微弱な電波を頭部に付けた電極でとらえ、波形として記録します。てんかん、脳動脈硬化症、脳血管障害、脳腫瘍害の診断に役立てます。
■血圧脈波
両腕と両足に血圧計を巻いて、脈の伝わる速度や強さから血管の硬さや詰まりなどを予測する検査です。
■その他
皮膚還流圧、神経伝導速度、心臓カテーテル検査などを行っています。
インフォメーションInformation
- [診療科目]
- 内科・消化器内科・神経内科・循環器内科・糖尿病内科・腎臓内科・外科・呼吸器外科・消化器外科・乳腺外科・血管外科・整形外科・脳神経外科・リウマチ科・耳鼻咽喉科・呼吸器科・放射線科・麻酔科・リハビリテーション科
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- 【診療日】 月曜~金曜
- 【受付時間】 8:30~10:30
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- 土曜午後・日曜・祝日・年末年始(12/29~1/3)
- ※急患の場合はこの限りではありません
- [面会時間]
- 14:00~20:00